[Special order] Vol.1

2022.6.17

men's select

こんにちは!

梅雨時期を迎えて、気温もなかなか落ち着かず、着るものに悩む今日この頃。

皆様いかがお過ごしでしょうか。

clothierは古着屋と思われている方が多いと思いますが(実際8割強古着なのですが)、実は現行ブランドのセレクトも行っています。(今更な話ではありますが。。。(笑))

基本的には古着では見つからないアイテムと古着を上品に見せ、着こなしを提案出来るアイテムをセレクトする事を趣旨としつつ、それ以外にも、リアルティ―のある拘り抜いたレプリカではない「復刻」をテーマにプロダクト製作も行っています。

また、シンプルにセレクトを行う事もあれば、clothierのコンセプトに合わせた別注品(Special order)も考え抜いて提案したりもします。

 

今回ご紹介するのは、「Anderson’s」のSpecial orderのベルトになります。

Anderson’sは古くからレザーファクトリーが建ち並ぶイタリア北部の都市パルマ地方で名門とされる工房にて修業を積んだ「カルロ・ヴァレンティ」が1966年に創業しました。

「何で創業者がカルロ・ヴァレンティなのにブランドネームがAnderson’s?」と思いますよね?

彼はイタリア人でありながら、とても英国文化、スタイルを好んでいました。

ですので、スーツなどを購入する際はサヴィル・ロウに出向き洋服を仕立てると言う拘りっぷりだったといいます。

きっと粋な方だったんでしょうね。

そのサヴィル・ロウで彼が御贔屓していた老舗テーラーが「アンダーソン&シェパード」と言い、その名を採って「Anderson’s」と名付けたそうです。

因みに、この「アンダーソン&シェパード」は英国でも屈指の伝説的なテーラー。

英国好きの方なら一度は「行きたい」と思わせる名門中の名門。

どんなテーラーかと言うと、英国王室の方々は勿論の事、名立たる著名人がその顧客台帳に名前を刻む事がステータスになるほどトップクラスの老舗テーラーなのです。

そのモノ作りの姿勢やポリシー等、深く深く感銘を受け、敬意を持って「Anderson’s」と名付けたんだと思います。

 

そんな英国好きなカルロ・ヴァレンティ氏もまた徹底した拘りを持ってモノ作りをします。

Anderson’sのベルトはイタリア国内及びフランスのトップタンナーが手掛ける高品質な革のみを使用し、自社工場100%で生産されています。

そのデザインは英国的なクラシカルかつ洗練されたスタイルをベースにイタリアらしさのある艶やかさやモダンさを加味し、様々なスタイルにマッチしたノーブルなベルトに仕上げています。

そして、名立たる高級店で取り扱われる様になり、更にハイブランドのベルト製作にも携わるようになります。

現代に至るまで様々な試行錯誤を繰り返し、ブラッシュアップを続け、イタリアを代表するトップクラスのベルトブランドと成ったのです。

 

clothierはそんなハイスペックなブランドに別注してしまった訳です(汗)

ハイ!

ドン!

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。。。って、敢えてクラシカルな英国スタイルではない、モダンなプンターレにしてしまう所もclothierらいしいというのでしょうか。。。

 

プンターレとはベルトの先飾りの事で、基本的にはウェスタンベルトで見られる補強を兼ねた装飾パーツを指します。

ウェスタンベルトと言えば、良くも悪くも装飾が一杯付いて、ゴツ目の革を使っているのを想像しますが、clothierは大人のイメージにする為、モダンに仕上げる事を意識しました!

 

使用する革はAnderson’sが拘り抜いている短毛のスウェード。

手触りが良く、とっても柔らかいのが特徴で更に分厚い一枚革風に仕上げてあるのも流石の一言。

もっと詳しく言うとですね、服に当たる面のレザーはキメの細かい滑らかな表革(服を傷付けず、服の毛羽立ちを限りなく抑える為)を使用し、ベルトの顔となる表面のスウェードはトリュフチョコを思わせる様な、これもまたキメの細かい短毛のスウェードとなっており、更に特筆すべきはその2種類の革を張り合わせる「圧着」技術ですね!

通常のベルトは2枚の革を張り合わせる時は両サイドにステッチを入れ、より強固な仕上がりとなりますが、Anderson’sはステッチを入れず、まるで分厚い一枚革の様に仕上げ、且つ、新品でありながら、何年も使い込んだかの様な上質な柔らかさを与えています。

普通であれば、2枚革を強く圧着させると、どうしても硬く仕上がってしまいますし、圧着が弱ければ、使用している間に剥がれてしまいます。(経験あるあるです(笑))

上質な革の柔らかさを保ちつつ、ステッチを入れず、2枚の革を張り合わせるなんて、もはや神業。(どうやってるんだろう。。。)

その技術と言ったら、もう、圧巻なんですよね。

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一枚の革にしか見えないですよね。

金具を止めるステッチも綺麗に仕上げてますよねー。

仕事の丁寧さが伺えます。

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表面としても使用できる程の良質な裏面の革。

お気づきになられました?

そう、カーフレザーなのです。

柔らかい訳です。。。

 

金具も所謂スチール製にせず、「真鍮」を使用し、重厚感とアンティーク感を演出し、更に、真鍮のゴールドな色合いにせず、燻感のあるマットなシルバーメッキを施しました。

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ベルト通し部分も金具にし、敢えて「タックイン」専用なベルトにし、「存在感がありながら、上品であり、洋服の着こなしを邪魔しない」ベルトに仕上がりました。

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上品ですよね?

 

基本的デザインはウェスタン。

ウェスタンでありながら、上品さを加える。

本来、相容れない様なファクターを融合させたモダニズム溢れるベルトを作成出来たと思います。

 

ご協力頂きました方々には頭があがりません。。。

 

サイズは80~95まで対応は可能ですし、店頭でご購入であれば、ベルト穴も追加する事も出来ます。(一応念の為)

 

夏こそ、ベルト演出に拘ってみるのはいかがでしょうか?

 

TEXT by A.I

 

 

 

 

 

 

 

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