服の小噺 Vol.14

2021.9.30

men's select

こんにちは!

お約束通り、ちょっと早めのブログアップです!

(自分の中でしか盛り上がってないかもしれませんが。。。)

 

今回はHARDENCOの仕様面でお話をしたいと思います。

HARDENCOは前回もお話をさせて頂きましたが、デットストックの生地を最大限に活かしてアイテムを作成しています。

素材の活かし方で先ずお話したいのがWHITE OAK工場のDENIM素材になります。

こちらの素材の仕様はセルビッチを使用し、デザインとして生かしている事です。

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こちらの赤いステッチ部分がセルビッチです。

このセルビッチ。

ご存じな方も多いとは思いますが、簡単にお伝えしますと、生地の端っこの部分になるのです。

生地が織機で生成される際の解れ防止の固定ステッチ部分です。

つまり、洋服として仕上がっている段階でこのセルビッチ部分があると言う事は、この部分に合わせて型紙を当て込み、生地をカッティングしていると言う事になるのです。

通常、このセルビッチに合わせる事無く、生地に対して、袖、襟、身頃、ポケット等のパーツを生地の無駄が起きない様にみっちり当て込み、カッティングを行うのですが、このセルビッチに合わせる事で「生地の採り効率」が非常に悪くなり、生地に無駄が発生し易くなります。

つまり、それだけ生地を使う面積が広くなって、1着当たりの生地量が増えてしまうのです。

生地はメートル計算で値段が決まってますから、当然、販売価格に反映されます。

ダック生地バージョンとの値段の差はこの様な内容である為です。

 

続いては、トリプルニードルステッチについてですが、これは、3本針と言われている特殊なミシンです。

質実剛健の象徴とも言うべきミシンですね。

1本縫うより、3本縫った方が丈夫でしょ?と言う事で開発されたミシン。

今となってはかなり台数が減り、希少価値の高いミシンになりますね。

何で台数が減り続けているかと申しますと、単純に縫い上げる糸の質が向上し、昔の糸と比べると断然に切れ難くなった為、1,2本の針で良くない?使う糸の量も多いし。。。と、言う時代の流れになったんでしょうね。

そんなミシンを使用しつつ、糸のカラーバリエーションを与え、3色縫いしてしまうなんて、「機能をデザインにする」と言う他ありません。

ナイスセンスっ!(僕は大好き!こう言うの!)

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しかも、その3本ステッチを首元の演出にワザとオーバーランさせる所も粋ですよね。

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ちゃんと糸が解れない様に根本はバータック仕上げ(閂止め)している所も心遣いと感じます。

ボタンホールも映っているのでついでにご説明しますと、ボタンホールのお尻の蕾(細くなっている部分)もバータックで仕上げて、穴が広がらない様に堅牢に仕上げてますね。

 

この3本針の演出デザインは首元だけではなく、袖にも活かされていますね。

袖丈がワザと長めに設定されていて、袖を折り返す着方(折り返さなくても良いのですが。。。)を提案している様に解釈できます。(デザイナー本人に確認した訳ではないのですが。。。)

こんな感じに。。。

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色配分も良いですよね?

生地との相性を考えているなと。。。

 

HARDENCOは洗濯ネームタグやサイズネームタグが使われておらず、背中の生地に全部プリントされています。

しかも、これまた、古い人力でプリントする印刷機でプリントして、カットしてと、どれだけ趣味的なんだと思ってしまう訳です。

それが、「カッコ良く」「可愛い」感じになっているのがニクイ演出ですよね?

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「Z」に縫い付けているのも何か良いですよね?

文字のフォントもグッときます。

 

ボタンは無垢な真鍮製で、これも古き良き時代の渋さを感じます。

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随所に施されているバータック(閂止め)の配色も良いですよね?

フレンチワークらしいペン入れが付いた胸ポケットも融合感があって◎

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また、写真では解り辛いので掲載しませんが、袖の付け方も腕を前振りにしてあり、可動域を確保しているのもワークウェアならではの心遣い。

等々、まさにアメリカの質実剛健の仕様面とフレンチワークが持つ空気感と言うデザインをうまく融合させているのが良くお解りになって頂ければ嬉しいです。

ちょっと「Carharrt」はゴツイし、「Levis」も皆もっているしなー、デニムやダック生地でもう少し、ファッション性の高いウェアないかなー、と、言う方々にはお勧めし甲斐があるHARDENCO。

年月を重ね、自分色、自分の味にしていくウェアはいかがでしょうか?

チノパンで合わせて、所謂、ストリートファッション的な着方も良いのですが、私としましては、スラックス等で上品に着こなして頂ければ、より、大人なウェアとして映えるかなと感じています。

例えば。。。

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HERMESのスカーフとCharvetのシャツでフレンチ融合させてみたり。。。。

 

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HERMESのシャツとCartierのスカーフで。

HERMESシャツのセリエボタンをチョイ見せしたりして。。。。

clothierのご提案としては、大人っぽく、艶感がある着こなしが良いかなと。(かなり私の主観的コーディネートではありますが。。。)

今後、スラックス等、パンツ類もmade in Italy で多数入荷する予定です。(ブランド問わずですが。。。)

 

 

さて、諸々とお話させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか?

この秋を着こなすアイテムを是非、ご覧になりにお越し下さいませ。

 

TEXT by A.I

 

 

 

 

 

 

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