服の小噺 Vol.10
2021.5.7
こんにちは!
今日はフレンチワークウェアについて少々お話をしようかと思います。
フレンチワークウェアの歴史を辿ると19世紀(1800年代半ば頃)まで遡ると言われています。
フランスの労働者が着ていた作業着を「フレンチワーク」と総称し、特に周知有名な炭鉱労働者向けのコットンモールスキンジャケットは年々希少価値が上がり続けています。
今回はそのコットンモールスキンより年代が若いコットンツイルのアイテム達のご紹介となります。
コットンモールスキン素材が多く使われていたのが1950年代より前になりますので、コットンツイルの素材は1950年代以降という事になりますね。
その年代頃からフランスの炭鉱業が衰退していき(石油等の新しいエネルギー資源が幅を利かせる様になった為)、労働環境が変化していく時代になった訳です。
また、戦後復興の為、道路、鉄道、電気、水道等、インフラ整備に多くの人材を投入する事となります。
そこで、今や素材としては珍しくはないコットンツイルですが、当時としてはコットンモールスキン素材よりも「軽く」て「丈夫」、そして「シワになり難い」という特質を持つ新素材として使われる様になります。
フランスはナショナルカラー(国家色とでも言うのでしょうか?世界的にフランスだったら青!と言う国際的な認識)が「青」と言う事もあり、美しい青色に生地を染める事が国家復興事業に携わる者としての矜持だったのかも知れません。
後にその青色を「フレンチブルー」だったり、「インクブルー」と言い、皆様の知るところのこのワークウェアが出来上がった訳なのです。
特にコットンツイルの特徴の一つとして生地に光沢があり、より一層、美しい青色が映えるところは魅力的ですよね。
色以外に特徴的な所と言えば、流石!洋服の国と言うところでしょうか?
ジャケットは襟に丸みがあり、労働者の服とは言え、どこか可愛げがあるシルエットとデザインを持ち、パンツはトラウザーを意識した仕様として仕立て上げているのは最早お国柄と言えるでしょう。
*丸みのある曲線が美しい襟が特徴
*トラウザーなパンツの中に仕事をし易い仕様にし、機能性とデザイン性を併せ持つ
*ワークウェアと言うにも関わらず、袖口はわざわざカフスステッチ(貴族衣装の名残り)を入れ、どこか上品に。
ですので、ゴリゴリに洗濯し、味を出しながら着こなすのも良いのですが、やはりclothierとしては上品に着こなす事をお勧めしています。
たまには「ナードな雰囲気」で特徴的なフレンチラコステで合わせてみたり。。。
ワークシャツは襟の作りがとっても美しい。。。
などなど、ワークウェアをいかに上品に着こなすか?をテーマに色々と工夫して着るのが楽しいかな。。。。と、思う次第です。
いずれにしましても今回、clothierでご用意したフレンチワーク達はDEAD STOCKですので様々な着こなしが「一から楽しめる」良さがあると言えますね。
ご紹介しきれていないアイテム達もまだまだご用意がありますので、色々とご試着にお越しください。
TEXT by AI.