服の小噺 Vol.9

2021.5.4

men's select

大変な状況が続いておりますが、皆様、いかがお過ごしでしょうか?

気温も日中はかなり暖かくなり、上着のいらない日も増えて参りましたね。

油断すると夜が寒く、薄着も相まって真冬の寒さを体感する事もありますが。。。(笑)

 

夏に向かい日増しに暖かく(暑く)なっているにも関わらず、こんなタイミングでフレンチレザーが入荷してしまいました(苦笑)

皆様ご存じの通称「コルビジェ」。

ここで商材を押さえないと入荷の見込みがなく、ここは思い切って季節を度外視し、入荷する事に致しました!

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今回の入荷したこのアイテムはサイズ、コンディションがとても良く、ここまでの品質の高い個体はそうそう手に入らないかと思う次第です。

 

モダニズム建築の巨匠、「ル・コルビジェ」=(本名シャルル-エドゥアール・ジャヌレ-グリ)が愛用していた事から「コルビジェジャケット」と通称で言われる様になった事は皆さま周知の事と思います。

因みに「ル・コルビジェ」の名は1920年に知人と雑誌「レスプリ・ヌーヴォー」を創刊した頃にペンネームとして用いていたそうです。

「近代建築の三大巨匠」と称される人物だからこそ、このレザージャケットを愛用していたのは、「細部に神は宿る」的な魅力があったからではないでしょうか?

 

このレザージャケットは当時(おおよそ1950年代~1960年代)フランスの国有企業(電力会社、国営放送)や行政機関(市役所、町役場等)の支給品であった訳ですが、支給品とは思えない程の仕様と高品質の革が使われています。

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*ポケット補強と脇下ベンチレーションにもレザーが使われ、補強と言えどデザイン性を与えている処等は流石フランス!と言えますよね。

加えて、袖裏の生地を腕の通し易い生地にしている処や裏地にウォーム感のあるウール生地を使う等、当時はこの仕様が当たり前の事だったのかも知れませんが、もはや一流ブランド並みの気遣いですね。

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*チンストラップは両矢じりのカッティング。(欠損しているものが多いのですが。。。)

また、補強の為なのでしょうが、ボタンを付ける場所にはレザー生地をテープ状に一枚乗せたり、胸ポケットにはフラップを付ける等、機能性とデザイン性を融合させているのが垣間見れますね。

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*ネック幅はやや広めに採っているので「前下がり」の首元がやや開き気味になっています。

首元の演出は色々と考えるのも有りだと思いますね。(冬場はここから風が入り易いので、ストールやマフラー等がある方が良いかも知れませんね)

 

細々ご紹介させて頂きましたが、巨匠とまでいわれた「ル・コルビジェ」が愛用したと言うだけあり、機能性とデザイン性を融合させた「機能美」が彼の感性を刺激したのかも知れませんし、また、当時、一流の建築デザイナーが国の支給品を好んで着用する事など「リッチ層の人間」からは到底理解できないロックな精神と愛国心があったのかも。。。と、勝手に想いを馳せる訳なのです。

 

 

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*レザーだからと言ってハードな着こなしより、ちょっと気取り気味の綺麗めで着こなすのも良いかも。。。

 

 

季節外れの商品紹介でありましたが、それだけレアな商品だとご理解頂けたら嬉しいですね。

是非、一度、袖を通しにお越しください。

実物を見ればより一層、このアイテムの良さが理解出来ると思います。

 

TEXT by AI.

 

 

 

 

 

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