INVERTERE

2020.10.10

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『一生物』、この言葉で語られる名品は数多くありますが、服に使うとちょっと大袈裟に聞こえるかもしれません。

 

しかしながら、あるんですよ。ごく稀に。

 

そのひとつが、今回ご紹介するインバーティアのダッフルコートです。

 

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服が好きであればあるほど、インバーティアのダッフルコートを避けて通るわけにはいかなくなります。

 

 

 

このダッフルコートの最大の魅力は生地。これは外せません。まずはそのお話から。

 

少々長くなってしまいますが、おとぎ話のような感覚で是非お読み下さい。

 

その昔、イギリスの片田舎にMoorbrook(ムーアブルック社)という、

 

100年前から稼動している珍しい織り機を所有している生地メーカーがありました。

 

その織り機はすごく生産効率が悪い反面、しっかりとした肉感がありながらも非常にやわらかく、温かみがあり、畝が深く刻まれた美しいヘリンボーン生地を織ることができました。

 

この極上のヘリンボーン生地の評判は国外へも知れ渡り、多くの高級メゾンに採用され、あのエルメスもここの生地しか使わなかったほどでした。

 

当時、エルメスダッフルと呼ばれ一世を風靡したそのダッフルコートは、ファッション愛好家から圧倒的な支持を受け、また同時にムーアブルックの生地も伝説として語られるようになりました。

 

勢いに乗るムーアブルック社は、生地だけでなく製品も作ってしまおうと考えます。

 

その時に買収されたのがインバーティアです。

 

インバーティアはムーアブルック社の生地を使用した高品質のコートを作り、一気に栄光の階段を駆け上がりますが、良いことって長くは続かないもんですね。

 

不況の煽りを受け、冬用のヘリンボーン生地が主力で春夏に対応する生地を持たなかったムーアブルック社は、あえなく倒産してしまいます。

 

もちろんその傘下にあったインバーティアも時代から姿を消すことになります。

 

 

 

時は流れ2013年・・・。

 

数多くのブランドが消えてしまったムーアブルック社のヘリンボーン生地を再現しようと試みますが、どこも上手くいかず断念。

 

分厚くて美しい生地は、やはり生産効率の悪いあの織り機でしか作れなかったのです。

 

一体あの織り機は今どこに。もともと世界に数台しかなかった織り機をみんな一生懸命になって探しました。

 

そしてとうとう見つかったのです。現在では世界に4台しかないその織り機のうち3台を、JOSHUA ELLIS(ジョシュアエリス、またの名をグレンアイラ)という生地メーカーが持っていました。

 

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そして試行錯誤の末、当時の生地を再現することが可能になったのです。

 

ジョシュアエリスは、1767年に創業した英国最古の生地メーカーです。

 

“世界一高級で高品質な素材を最高級の天然繊維で織り上げる”という哲学のもと、本物の素材のみを提供し続けています。

 

ジョシュアエリスのヘリンボーン生地という最高の伴侶を得て現代に甦ったインバーティアのダッフルコートは、当時を知らない現代の人たちをも魅了しています。

 

流行のサイクルが年々早くなっている昨今のアパレル業界。

 

その流れに完全に逆行する、こだわりと情熱が注ぎ込まれた、『一生物』と呼ぶにふさわしいインバーティアのダッフルコート。

 

まさに名品中の名品です。

 

随分と生地の話が長くなってしまいました。(すみません・・・。)

 

ご興味のある方はもう少しお付き合いください。

 

インバーティアの誕生の地である「NEWTON ABBOT(ニュートンアボット)」と名付けられたこのダッフルコートは、堅牢なレザーループに素材の風合いを活かした本水牛トグル、チンストラップが付いた身頃一体型フード、両腰に大きめのフラップパッチポケットが備わっています。

 

ど真ん中の直球勝負、そんな定番デザインなので、ぱっと見は“普通”ですが、そこがいいんですよ。

 

先人の知恵が詰まった伝統的なデザインとディテールが、『一生物』として愛用できる安心感を生んでいます。

 

生地は分厚く、それでいて見た目以上に軽く、びっくりするくらい暖かい。

 

そして、山と谷が深く刻まれた生地目はとても美しく、圧倒的な存在感を放ちます。

 

ニッチなものではないけれど、内側から滲み出てくる風格は明らかに他のそれとは別格です。

 

カジュアルなイメージのあるダッフルコートでありながら、大人の品格が感じられるのは、ジョシュアエリスのヘリンボーン生地だからこそです。

 

リーバイスからインコテックスまで、あらゆるボトムス、又はコーディネートに相性が良く、カジュアルに着たら適度にドレス感を出せて、逆にドレスに着たらカジュアルダウンできるという、なんとも頼りがいのある一着なので、ワードローブの永久欠番(ジャイアンツで言うとこの長嶋茂雄ですね。)としてこの先もずっと着続けられることでしょう。

 

サイジングは日本人の体型に“しっくり”くるように作られていて、細すぎず適度にゆとりのあるボディでありながら、もたつかずすっきり見えるバランスはまさに絶妙。お直しの必要がない袖丈も嬉しいポイントです。

 

縫製についても抜かりはなく、某有名メゾンのダッフルコートと同じ英国の老舗工場で作られています。

 

前振りの袖付けや立ち上がりのいいフード、丁寧なパイピング処理などからも仕立てのよさがうかがえます。

 

また、長く着ることを前提とした堅牢なレザーループや本水牛トグルなど、副資材へのこだわりも忘れていません。

 

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今回のイベント【INVERTERE more variation】は期間限定での開催で、店頭、オンラインストアにないカラー、サイズもオーダーにてご用意できる可能性がございます。

 

また、ダッフルコートだけでなく、バルマカーンコート、トレンチコート、リバーシブルコート、ハリントンジャケットなどもご用意しております。

 

詳しくはお電話、又はメールにてお問い合わせ下さい。

 

さらにダッフルコートのホワイトとレッドに関しては今後は生産しないカラー、バルマカーンコートは今後は生産未定ですので、希少性という面でも魅力的な一点です。

 

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少し躊躇してしまいそうなお値段ですが、高いと思うか安いと思うかは服に対する価値観次第。

 

なんでも効率優先の今の時代、『一生物』がこの価格なら、決して高くはないと思います。是非、一生付き合える相棒を手にしてみて下さい。

 

詳しくは店頭、またはインスタグラム、オンラインストアをご覧ください。

 

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